私が住んでいたのはイングランド中部のノッティンガムという町
でした。ロビンフッドの舞台となったシャーウッドの森にも近い

人口30万人程度の非常に住みやすい町でした。ここでほぼ日本
の大学の前・後期と同じ期間を過ごしましたが、今ではこれまで
生きてきた中でもっとも充実した9ヶ月間だったと言えるかも
しれません。

 最初の6ヶ月間は私と同じように各国から留学して来た学生と
共に語学力向上のためのプログラムを受講しました。目標が同じ

もの同士とあって皆とはすぐに打ち解け、帰国後のこれからも
付き合っていけそうな仲間と出会うことが出来ました。また、

様々な背景をもつ人々との交流を通して他者を理解することの
重要さを身をもって理解しました。

 後半の3ヶ月では大学で現地の学生に混じって現在の専攻に
ついて学びましたが、グループワークでは他の学生の議論のペース

についていけず歯がゆい思いをしたり、教授から要求される予習量
に驚かされたりと日本の大学とは違うシステムや今までの「英語

を勉強する」から「英語で勉強する」ことへの転換に少々戸惑い

つつもなんとか一学期を全うすることが出来、それが現在では
自分にとって自信に繋がっています。

 また、冬休みを利用しての一人旅も忘れられません。20日で
8カ国10都市を急ぎ足で回りましたが、所持金を盗まれる、

現地の人にぼられそうになるなどのトラブルも経験しましたが
ヨーロッパの美しい街を自由に闊歩する解放感、偶然出会った

旅人とのちょっとしたコミュニケーション、そして付け焼刃で
覚えた現地の言葉で会話に挑戦しそれが通じたときの喜びは一人旅

ならではのものです。これまでの中で最も過酷でかつ最も思い出
に残る旅となったことは言うまでもありません。いまでは夜の

モロッコ旧市街の奥で(現地のお金で)大金を要求されそうになり
危機一髪で逃げたと言う苦い思い出さえもきらきらと輝く冒険の
思い出に変わっています。

 9ヶ月間の思い出を以上の3つを軸に思い返してみましたが、
やはり私は9ヶ月間非常に貴重な体験をすることが出来たと考え

ています。実は出発前、すでに留学を経験した日本の友人から
「うらやましい。自分も今すごく(留学先に)帰りたい」という

話をされ、当時の自分にはまだあまりピンと来なかったのですが、
今では当時の彼の気持ちをとても理解できます。また、以前祷先生も

「一生に一度は海外で生活することを勧めます」とこのメルマガで
おっしゃっていましたが、実際に体験してみて初めてその言葉の

意味と海外生活の効能を実感することが出来ました。まだはっきりと
言葉では言い表せませんが、この9ヶ月間を通して私は今後の人生

にプラスとなる多くのものを得ることが出来たようです。

                         Rui Kimura