今年度第1回の英検の1次試験が6月12日にあり、7月10日には
2次試験があります。それで今回のコラムはこの英検について書きます。

現在、日本で実施されている英語能力試験は、公的機関が実施するもの、
公的機関から認証を受けている団体が実施するもの、また任意の民間

団体が実施しているものなど様々ですが、私がざっと数えただけでも
30以上もあります。これほど試験の好きな国民も珍しいです。

 その数ある試験の中でも最も受験者が多いのが、文部科学省認定で
財団法人日本英語検定協会が実施する実用英語技能検定、通称「英検」

と呼ばれている試験です。毎年の受験者数が250万人以上というから、
とてつもない人数が参加する試験です。でも、これは英検に限ったこと

ではありませんが、これらの試験で英語能力を真に判定することは、
実は困難です。主催団体や文部科学省は、日本人の英語コミュニーケーション

能力の向上を目的に、中学卒業時に3級合格、高校卒業時に準2級か
2級合格を目標にするようにといっていますが、例え2級に合格しても、

実際に英語を言語能力として運用するという視点からは、まだまだ
使えるレベルではありません。少数の人しか英語を使っていなかった

時代には、2級合格も社会的な価値が少しはありましたが、現在では
準1級か1級合格でないと、履歴書に書いても余り意味はありません。

英検の実施団体は「現在、カリフォルニア州南部を中心に127校
(平成17年6月24日現在)の大学において、TOEFLと同様に大学

の正規留学資格として認められております。」といって「英検2級から
の海外留学」を謳っていますが、その程度の英語力では、大学の授業

についてはいけません。英語圏の海外の大学に留学したり、ビジネス
で英語を使うには、少なくても準1級レベルの英語力が必要ですが、

このレベルでも実際の言語の運用能力よりも必要以上に高いレベルの
語彙力や読解力が合格に求められますので、合格のために日常余り

使わない語彙を学ぶ必要があります。実施団体も実用英語の必要性を
認識し、テスト問題の内容もこれまでの読解や文法の知識を問う

問題から、リスニングの問題の比重を高めたり、回答に即応性を
求めたりして努力していますが、まだまだ実用的な英語運用能力

を測る試験とはなっておりません。英語学習者は自分の英語学習
の励みのためのステップ目標ぐらいに考えて利用したらいいと

思います。私の英検に対するもう一つの不満は、1次試験で不合格
となって、2次試験を受けれなくても受験料を払わなければなら

ないことです。また、1次試験合格後、2次試験を不合格になったり、
都合で受験できない場合、1年間は1次試験免除の制度があるのですが、

この場合も受験料は全額必要なことです。情報開示と透明性が求め
られるこの時代、受けない試験の受験料の減額は考慮されるべきでは

ないでしょうか。最後に、語学を習得するために大切なことは、試験
に合格したり試験の点数を上げることではなく、継続的な学習機会の

確保と、学んだ知識を日常的に運用する実践の機会を確保することです。
そのためにインターネットは重要なツールです。語学の学習は継続した

真剣な努力が求められますが、意思だけでは長続きしません。楽しむ
工夫をして下さい。