「英語の授業を英語で行なう」という、私たちが既に
23年も前から当然のこととして行なっている英語教授法

が、今年度から順次全国の高校1年生の授業から採用
され、2015年度までには全学年で取り入れられることに

なっています。学校教育でもやっと私たちの教授法に近
づいて来たのかと思ったのですが、しかし、現場の教師

からは「受験指導と両立できるか」「苦手な子はついて
こられないのではないか」などと、不安や疑問の声も出

ているという。このことに関しては様々な問題が考えら
れますが、この試みを学校現場で成功させるには、三つ

の大きな問題の解決が必要になると考えます。一つ目は
英語で質の高い授業を行なえる教師を、どれだけの人数

確保できるかという問題。二つ目は一クラスの生徒の数
を15人以下に抑えることができるかという問題。3つ目

は英語だけで行なう授業と、日本語も使う授業を、
生徒の英語力と学習への意欲により選択できる柔軟な

システムを築けるかという問題があると思います。
長年、日本人への英語教育に携わってきた者として、

今回の文部省の試みが成功して欲しいとは思いますが、
先にあげた三つの大きな問題を公教育で解決して、

効果的な英語教育が実施されるということには、残念
ながら大きな疑念を持っています。