ハロウィーン

日本でも英会話スクールだけではなく、様々な場所で定着して
きているハロウィーンですが、今週は私たちのスクールでも、

子供たちを中心としたハロウィーンパーティーを開きます。

皆さんはハロウィーンにどんな印象をお持ちですか。魔女やお化け
など妙な仮装をして、お菓子を貰って騒ぐだけのパーティーと思い
でしょうか。

由来を知っている方もいると思いますが、今日のコラムはこの
ハロウィーンについて書きます。

 ハロウィーンはかなり古い時代(2,000年以上前ケルト人の時代)
のイギリスで始まった伝統的な行事だそうです。その当時、悪魔や

魔法使いや死者の霊などが、11月1日の前夜つまり10月31日に、
地上で一泊すると信じられていたそうです。お盆の時に、先祖の霊

をお墓に迎えに行って、先祖の霊と共にお盆を過ごし、最終日に、
また、それらの霊をお墓に送りに行く、日本の風習ともどこか、

似ていますね。また、ローマ・カトリックでは11月1日は天上
の聖者たちを祝う日でもありました。伝統的な民族行事と宗教的

な行事が融合する、或いは一方が他方を採り入れるということは、
歴史的によくあることですが、このハロウィーンもそれら二つが

結びついて、全ての聖者を祭る「万聖祭」の前夜祭として、
ヨーロッパやアメリカで祝われるようになりました。アメリカでは

子供だけでなく、大人もハロウィーンを祝います。子供たちは
コスチュームを着て、夕方になると大きなバッグを持って、近所

の家々を”Trick or Treat”と叫びながら回って、
お菓子を貰います。大人はコスチュームを着て、ハロウィーン

パーティーに出かけます。このパーティーのためのコスチューム
をレンタルする専門店もあるほど、盛んな行事です。黒とオレンジ

がハロウィーンの基調色です。また、アメリカでは南瓜の中身を
くりぬいて作ったJack-O-Lanternに明かりをつけて、家の玄関

や窓に飾っているのもよく見受けられる光景です。

 祭りはハレの行事ですから、普段の真面目な規則正しい生活とは
異なった、規範を飛び出した行為が許されます。ベニスのカーニバル

もそうですが、人には普段の自分とは異なった自分を演じてみたい
という変身願望があります。何もその願望は、ジューレンジャーや

仮面ライダーになりたがる子供だけのものではありません。大人も
一緒です。その普段とは異なった自分になれる変身願望が、祭

(パーティー)のエネルギーを生み出しているのではないでしょうか。
現代社会では日常生活においての村的な規範が緩くなり、エネルギー

発散という祭りの役割が失われつつありますが。それは残念な気も
しますし、抑圧がなくなって、より民主的になったという点では、

良い事かも知れません。

 村から出た日本人には、これからは日常生活から少し抜け出た
パーティーという場で、社交性を上手に発揮することが求められて

いるのではないでしょうか。よく様々な国籍の人々が集まっている
場所で、片隅で日本人だけで固まっていたり、また逆にはしゃぎ過ぎて

一人で浮いている日本人を見かけますが、普段自分が所属している
集団とは異なった人々と、いかに上手に楽しく交わるのかという訓練が、

まだ出来ていないのだと思います。気心の知れた仲間との集まりも
楽しいですが、時には見知らぬ人々と出会うパーティーも上手に楽し
めるようになりたいものです。

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