大学院生にフランス語を教えて
「これまでフランス語を学んだことは無いけど、1年半後に
博士課程に進学するために試験があるのでフランス語を教えて
ほしい。」と法律を学んでいる修士課程の学生に、去年の夏に
依頼され、教授を引き受けてから、10カ月が経ちます。これまで
長年、英語の受験勉強や英仏会話は教えてきましたが、フランス語
の仏険を除く受験勉強の指導は始めてです。それでも未知の物に
対する好奇心から指導を引き受けました。最初の9ヶ月ほどで文法
の学習を終え、現在、法律に関した仏文の講読をしていますが、
これが大変面白いです。意外な発見でした。法律の知識など無い
のに、何が面白いかと言うと、論理的に書かれた仏文を読むことが、
ただそれだけで、そのまま面白いのです。これまでフランス語で
書かれた小説や新聞記事をたくさん読んできましたが、法律や
憲法に関した文章をまとめて読むのは始めてです。少年の頃、
きっと小説かテレビの影響だったと思いますが、一時期、将来
弁護士になりたいと思った事があったことなども思い出して、
毎回ワクワクしながら授業をしています。また、学生時代、
ゼミで訓練した論理的な自論の展開の仕方や、相手の意見を論理的
に論破しようと試みた経験なども思い出されます。こんな楽しい
発見をくださった生徒のM.K.さんに感謝しています。どうもありがとう。
これからも楽しく学んでいきましょう。自ら楽しみながら教えて、
授業料も貰える。こんな素敵な仕事はありません。乞食と役者は三日
やったら、止められないと聴いたことがありますが、教師もそうかも
しれません。