失敗する文部科学省の英語教育

今年の2月に文部科学省は中学3年生の英語力を国が
統一して測る初めてのテストの結果を公表しました。

それによると「聞く・話す・読む・書く」の4技能が、
中学卒業時の目標とされる英検3級程度に達した生徒は

2~4割とのことです。この結果を踏まえて文科省は
2017年度までに、「中学卒業時に英検3級以上が50%」

を目標とすると言っています。これまでも小学校への
英語の導入、高校での英語による英語の授業の実施、

そして今後は小学5・6年生への正式な教科としての
英語の導入等々、様々な試みを行い、その後も様々な

試みを行うようですが、それらはこれまでの試みと
同様にほとんど成功しないでしょう。なぜなら外国語

の習得には、言葉の知識や理解だけでなく、それらを
言語として運用するために、徹底した相当な訓練が必要

だから。つまり、野球やサッカーやスキーのような
スポーツや、ピアノやバイオリンなどの楽器の演奏の

ための技術習得と同じような訓練が、語学の習得には
欠かせないからです。果たして好きでも得意でもない

スポーツの訓練や楽器の演奏の訓練を義務として子供
たち全員に課すでしょうか。そしてそれは効果がある

でしょうか。中学までは義務教育なので、外国語に
触れたり、外国文化を学んだりするための機会として

英語を学ぶことに教育的な意味がないわけではない
ですが、高校以上では英語は選択科目にして、学び

たい生徒のみがレベル別の少人数クラスで徹底した
訓練を受けるべきだと思います。それ以外に日本に

いながら、英語を使える若い日本人を育てる効果的
な方法はないと思います。実現がほとんど不可能な

全体の底上げよりも、スペシャリストの養成が求め
られているのではないでしょうか。英語が好きでも

得意でもない生徒に英語学習を強制するよりも、
彼ら彼女らには、自らの興味と才能に応じて他の分野

での活躍のための教育を受ける機会を準備しておく
ことが、生徒個人にとっても日本全体にとっても幸せ

なことではないでしょうか。また、語学以外の専門性を
身に付けた後で、外国語を学ぶ必要性を感じたらそれから

学んでも決して遅くはないし、そのほうがより効果的
に外国語を習得できると思います。日本語を母国語と

する者が日本にいながら英語を習得するには、学びたい
意欲のある者、学ぶ必要性がある者が相当の時間

(約2千時間)をかけて徹底した訓練をする必要が
あります。そのような理由で高校からの英語はぜひ

選択科目にしてもらいたい。

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