ネット通販大手の楽天が「社内の公用語を英語にする」という
話題について、前回、第159回のコラムで取り上げましたが、
今回も、さらにいくつかの企業の取り組みを紹介しながら、日本
社会及び日本企業のグローバル化について書きたいと思います。
日本企業のグローバル化とは具体的にどういうことかというと、
人口の少子高齢化により市場が益々縮小してきている国内で利益
を上げることが困難になりつつある現在、新興国を中心に市場が
どんどん拡大している海外で利益を上げて、会社を発展させ生き
残っていこうという企業戦略だと思います。それは楽天の三木谷
氏が、「現在1%にとどまる海外の取扱高を、将来的には7割まで
引き上げ、グループ全体の取扱高も、現在の1.8兆円から20兆円
に増やしたい。」と言っている事からもはっきりしています。
それでは楽天以外のいくつかの日本企業のグローバル化への取り
組みはどうでしょうか。以下にいくつか紹介したいと思います。
●日立製作所は、総合職の50%を海外経験を持った人材にし、
海外人員を毎年1万人ずつ増やし、若手中心に今後3年で2000人
を海外に送るそうです。また、3年間で海外売上高比率を41%から
50%に引き上げる計画です。
●ローソンは、2011年入社予定60人中20人が外国人で、モノカル
チャーから多様性重視に転換し、外国人社員を特別扱いはせず、
日本人社員と同等に扱うとのことです。
●旭硝子は、グローバルカンパニー制で、ガラスカンパニーの
本部はべルギーブリュッセルにあり、ガラスカンパニーの社内文書
はすべて英語だそうです。
●パナソニックは、新卒採用の8割を海外で実施し、幹部ポストの
位置づけをグローバルで統一し、国を超えた人材登用をグローバル
に推進し、日本人も外国人も同じ人事制度に載せようとしています。
それでは隣国の韓国企業はどうでしょうか。例えば、世界の
市場でソニーやパナソニックを打ち負かし、シェヤを伸ばして
いるサムスン電子の現在の外国人社員比率は46%で、2020年までに
65%まで引き上げるとのことです。
これまでも世界中で活躍している日本企業はたくさんありますが、
決定権は日本にある本社が握っており、日本人社員と海外で採用
した外国人社員では人事制度が異なり、外国人社員がトップに
昇進することはできませんでした。しかしこれでは優秀な外国人
は採用できません。優秀な人材を世界に求めなければ、グローバル
化した時代には生き残れないのです。グローバルな情報を様々な
国籍の社員と共有するために、これからは益々社内の公用語を英語
とし社内文書も英語にするという流れになっていくでしょう。
あなたはこの変化をどのように捉えますか。大変だなと思い
ますか。それともこれをチャンスと捕らえて、仕事で使える英語
を身に付けていきますか。考え方であなたの将来が大きく変わって
来るのではないでしょうか。